愛媛県松山市朝生田町一丁目3番10号
睡眠障害、イビキでお悩みの方、気軽に外来においでください。
睡眠中に本人がまったく無意識のうちに幾度となく呼吸が止まってしまう病気です。医学的には、「10秒以上の無呼吸が、一晩(7時間以上の睡眠中)に30回以上生じる病態」と定義されています。
無呼吸になる原因は、睡眠中に喉の筋肉がゆるんで舌が垂れ下がり、空気の通り道である気道をふさぎ、呼吸が止まってしまうことによります。
睡眠時無呼吸症候群は「閉塞型」「中枢型」「混合型」の3タイプに分類されます。
睡眠時無呼吸症候群で最も多く、睡眠中に上気道がふさがって呼吸ができなくなるタイプです。どんなに健康な人でも、睡眠中は筋肉がゆるむために、仰向けに寝ると舌が垂れ下がって気道が多少狭くなりますが、それによって気道がふさがり呼吸が止まることはありません。しかし、「閉塞型」の人は軟口蓋(上あごの奥の部分)が、喉を圧迫して呼吸ができなくなってしまいます。「閉塞型」タイプの特徴は次のとおりです。
これを睡眠中に何度も繰り返します。
呼吸をつかさどる「脳の中枢部分の働きに異常が起きている」ことが原因で、睡眠時無呼吸となるタイプです。「閉塞型」に比べると、イビキも少なく、夜中によく目が覚めてしまうと不眠を訴えるケースがみられます。
「中枢型」と「閉塞型」の両方が無呼吸の間に混在しているタイプです。基本的には閉塞型と変わりません。
睡眠時無呼吸症候群の判断材料として、イビキがあげられます。イビキをかく人には、肥満が多いというイメージがあります。事実、睡眠時無呼吸症候群は30~60歳の肥満の男性に多くみられます。理由は、肥満の人はお腹だけでなく、首や喉の周辺部分にも脂肪がついているため、上気道が狭められて呼吸がしにくくなることによります。
睡眠時無呼吸症候群の人に共通してみられるのは、「大きなお腹」「小さいあご」「短い首」の3点です。さらに口の中の特徴としては、「舌の位置が高く」「後ろの方にある」ことがあげられます。鏡に向かって、口をふつうに開けてみて「喉の奥が見えない人」は、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。
"寝入りばなやお酒を飲んだとき、疲れたときなどにかく習慣性のイビキ"は、それほど気にする必要はありませんが、次のようなイビキをかく人は睡眠時無呼吸症候群を疑って、専門医で一度診断を受けた方がよいでしょう。
睡眠時無呼吸症候群の疑うべき要因としては、下記のような症状が挙げられます。
また、睡眠時無呼吸症候群と診断される症状としては、上記のほかに「寝ている間、頻繁に目が覚める」「夜、頻繁にトイレに立つ」「寝汗をかくことが多い」といった症状が挙げられます。しかしもっと恐ろしいのは、本人が自覚しないで進行する合併症です。
上記の症状に3つ以上当てはまった方は、睡眠時無呼吸症候群の疑いがあります。
かかりつけ医に御相談の上、睡眠無呼吸障害医療施設での確定診断を受けることをお勧めします。
睡眠時無呼吸症候群の人が、治療を受けずにそのまま放置しておくと命に関わる様々な合併症(高血圧、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞など)を引き起こします。また、高脂血症や動脈硬化、不整脈の恐れもあり、新たな生活習慣病として問題視されています。
こうした致死性の病気の発症率は、健康な人に比べて高血圧が3倍、心疾患が2倍、脳血管障害が2倍と言われています。
ちなみにアメリカの調査結果によると、「1時間に20回以上無呼吸がある人」は明らかに予後が悪く、放置しておくと8年後の生存率は約63%という驚くべき結果が発表されています。
生活習慣病のうち、高血圧、糖尿病、高脂血症に、肥満を含めた4項目は「死の四重奏」と呼ばれます。仮に一つが軽い症状だったとしても、この4つが重なると動脈硬化が急速に進行し、狭心症や心筋梗塞、また脳出血や脳梗塞など、死に直結しかねない病気を起こす危険度が飛躍的に高くなります。
そうしたことから「死の四重奏」と呼ばれるのですが、睡眠時無呼吸症候群の人は生活習慣病が複合化し、かつ重症化するなど危険因子を多く持っていると言えます。
言い換えると、睡眠時無呼吸症候群を治すことは、生活習慣病対策の有効な手段とも言えます。
夜間睡眠中の呼吸、イビキ音、酸素レベル(指先にセンサーを付けて測ります)が測定できる携帯式の器械(スターダスト)があります。これを自分でセットして、睡眠中に記録をとり、医療機関で解析します。この検査では、無呼吸の程度が大まかに分かります。